診療案内

今回はワンちゃん、ネコちゃんの健康診断の重要性を獣医師の視点で書いていこうと思います。

秋の健康診断がちらほらと始まっていく中で、当院も10月の中旬からワンちゃんの健康診断、1月あたりにネコちゃんの健康診断を予定しています。詳しくはまたお知らせをさせていただきます。

健康診断でほとんどの子が行うのが「血液検査」です。肝臓や腎臓の値を中心に、甲状腺やミネラル(電解質)、コレステロール中性脂肪、血糖値などが項目として並んできます。高齢の子は、ホルモン異常による内分泌疾患で電解質の数値が、稀に腫瘍による電解質の異常が出てくる場合もあります。またネコちゃんの場合は特に腎臓や甲状腺の値が高値になることがあります。このためシニアといわれる8歳以上のワンちゃん、ネコちゃんは電解質や甲状腺のパックが入った血液検査をお勧めしています。

では若い子はどうでしょうか、1歳~6歳くらいの子の場合、異常値が出てくる可能性は高齢の子に比べて低いです。しかし、中には先天的に腎臓や肝臓の数値が高い子がいたり、症状がなくて元気でも血液検査の基礎値が高い場合があります。そして重要なのが、普段のその子の正常な数値を知ることで、異常が見つけやすくなります。例えば普段腎臓の数値が20と出ている子が、40という値が出た時に、それが正常範囲であっても、上昇していることがわかります。普段の正常値を測っておくことで、病気のサインが早期に発見できる場合もあります。

次に「超音波検査」についてです。健康診断の場合はオプションになることが多い超音波検査ですが、高齢のワンちゃんネコちゃんに多い腫瘍性の病気の発見には重要な検査です。レントゲン検査でも明らかに大きくなった異常な腫瘍はわかりますが、サイズがそこまで大きくなく、症状のない腫瘍(肝臓、腎臓、脾臓、膀胱etc)に関しては超音波検査が有効です。

また、若齢の子も、遺伝的に腎臓の形がいびつな子が稀にいます。ペルシャやアメリカンショートヘア、スコティッシュなどの純血種で多い報告があるので、これらの品種の子は若いうちに一度は必ず超音波で検査をお勧めします。

また、ラグドールやメインクーン、アメリカンショートヘアなどの純血種では肥大型心筋症という心臓の病気を先天的に持っている子がいます。息が荒い、口を開けて呼吸している、息切れが多い気がするなどのネコちゃんで、純血種のネコちゃんは心臓をチェックをお勧めします。

ワンちゃんやネコちゃんは人間の4倍のスピードで年を取るといわれています。そのため当院では8歳以上のシニアの子には半年に一回6歳以下の子には一年に一回の健康診断を推奨しています。ただし、病院に来ることが過剰なストレスになるネコちゃんでは例外として獣医師と相談して決めるのが良いと思います。

ワンちゃんもネコちゃんも、今まで一度もお腹の超音波検査を受けていない子はぜひ一度トライしてみましょう。当院の秋の健康診断では、今回から超音波をセットにしたコースを設けていますので是非ご相談ください。

2021年9月21日更新

ワンちゃんの皮膚の痒み、6回目は痒み止め(アポキル)についてです!

アポキルはオクラシチニブマレイン酸を成分とする犬のアトピー、アレルギー性皮膚炎に対する治療薬です。今までの痒みの治療はステロイドが主体でしたが、近年このアポキルが世に出回ってからは、アトピー性皮膚炎の第一選択はアポキルになっていきました。

アポキルが広く使用されるようになったのは、私自身、4つのメリットがあるからと考えています。

メリット①痒み止め効果の幅広さ。アポキルの作用機序として、炎症性のサイトカインが受容体に結合すると活性化するJAKを阻害します。痒みによって引き起こされる炎症性のシグナル伝達を断つことで痒みのサイクルを断ち切ります。ワンちゃんが痒くて、皮膚を舐め壊し、引き起こされる痒みの連鎖をストップします。

メリット②アポキルは従来のステロイドや、免疫抑制剤に比べ、副作用が少ないといわれています。当院でも多くの子に処方していますが、副作用はほとんど聞いておりません。継続の使用は1年までとなっていますので、これを超えて使用する場合は、健康診断で肝酵素の値や血液成分を年1回はチェックした方がよいでしょう。

メリット③容量のサイズが幅広いためいろいろな体格の子に使用しやすいという点です。上記写真のように3種類のサイズがあるので、小型犬から、大型犬まで幅広い犬種に使用できます。ただし、3キロ未満の子には推奨されていません。

メリット④他の薬との飲み合わせが良い点。ステロイドは飲み合わせが他の薬と悪い場合がありますが、アポキルは一般的な薬との相性は問題ありません。

 

メリットが多く挙げられるアポキルですが、個人的に感じる欠点も絞り出してみました。

デメリット①1歳未満の子犬には使用が制限されています。1歳未満の子には推奨されていません。

デメリット②アトピーやアレルギーの子でも薬が効くのは全体の約70%と言われています。3割の子はアポキルが効きません。薬の効き目がわるい場合は、ご紹介している別の薬(ステロイドや免疫抑制薬)に切り替える必要があります。

デメリット③便利すぎる薬なゆえに、とりあえずアポキルを飲めばいい、処方すればいいとなってしまう懸念です。これは、獣医師にも飼い主様にも言えるお話で、獣医師の場合は背景にある原因疾患をしっかりとコントロールすること。もちろんアトピーの場合はいいのですが、ダニや細菌感染、食物アレルギーからくる痒みの場合、これらを駆除したり、食事を管理していかないと根本的な解決にはなりません。痒みがあるからアポキルを処方しておけばいいわけではありません。痒みの原因を飼い主様と一緒に考えていくのが大切なことだと思っています。飼い主様の場合は、アポキルで皮膚の状態が良くても、数か月に1回は皮膚の状態を獣医師に確認してもらいましょう。薬の副作用はないか、健康状態、皮膚の状態は大丈夫か病院で確認することも大切です。

 

ここまでメリットとデメリットを挙げましたが、デメリットは実質ほとんどないと感じています。獣医師にも飼い主様にも満足されるお薬だと感じています。

薬の選択で迷われている方、皮膚の痒みで困っている方、当院までご相談ください。

次回は、痒み止めの注射薬「サイトポイント」について書いていきます。

2021年9月14日更新

ワンちゃんの皮膚の痒み、5回目は痒み止め(ステロイド)についてです!

 左図:プレドニン(製品名)

ステロイドは獣医療では様々な病気に対して幅広く使用されるお薬です。皆さんのワンちゃんネコちゃんも病院に行き、何かしらの原因でステロイドを注射もしくは処方されたという飼い主様も多いのではないでしょうか。そもそもステロイドとは何か?これはホルモンの1つで、体の副腎という臓器から放出される糖質コルチコイドと同じです。この体の中で放出されるホルモンを経口的にもしくは注射で投与します。ヒトでの皮膚病は外用薬(塗り薬)が基本ですが、この外用薬についてはまた今度お話しします。

ステロイドには抗炎症作用があり、皮膚病の痒みがあるワンちゃんの場合、皮膚の炎症を抑えることで痒みが抑えられ、痒み止めとしての機能を発揮します。皮膚の痒みがある状態で、最初に病院に来た場合、炎症が強く出ている場合が多いので、この炎症を引かせるためにステロイドを注射、もしくは処方します。他の痒み止めと初めは併用してお出しすることが多いですが、他の痒み止め単独では炎症があると効きにくいので、ステロイドをお出ししています。

ステロイドは一言で言うと、強い痒み止めというメリットと、副作用のデメリットを併せ持つお薬です。そのため、長期にわたって、もしくは高容量で使いすぎると副作用生じてくる注意が必要なお薬ということです。副作用としては、高容量の使用で医原性のクッシング*になったり、肝臓の数値が上昇したり、多飲多尿、免疫力の低下(感染の悪化)、胃潰瘍、高脂血症、糖尿病などがあります。一方、メリットでは安価で強力な抗炎症効果、過去の多くの使用実績があります。

これを聞くと、ステロイドを使いたくないと思われる飼い主さんもいると思います。しかし、大事なことは使い分けだと思っています。いろんな副作用の少ない痒み止めと、どう併用していくのかが重要なのです。これはあくまで、高容量、長期間で内服した場合である程度、期間容量を限定すれば、副作用の発生率は大幅に下げられます。また即効性があり、安価なので、初期の炎症を引かせることも考慮すると、初期治療には重宝する薬です。なので処方するときは、治療の初期で、徐々に用量を減らして処方することが多いと思います。痒みや炎症が強い場合は、より即効性のある注射をすることもあります。また、長期間の皮膚病で、皮膚が分厚くなってしまっている子は痒み止めが効きにくいので、効果が強いステロイドを、感染が抑えられている場合はしっかり使うことも多いです。

最後に、ステロイドは耳が痒い子への点耳薬に成分として入っていたり、自己免疫による皮膚疾患に使用することもありますが、今回はアトピーに対する痒み止めであるステロイドについてなのでこの辺は割愛します。点耳薬についてはまた今度書きます!

次回は痒み止め(アポキル)について書きます。ステロイドよりも自分は好んで使用することが多いです!

 

*医原性クッシング症候群

薬としてステロイドを長期にわたって服用すると、本来副腎から出るはずのステロイドホルモンが出なくなり(副腎がお薬でステロイドがでるため、自分は頑張らなくていいんだと認識して萎縮する)、副腎の機能が失われる。症状としては多飲多尿や腹部膨満、脱毛、パンティングなど。お薬を急にやめると、体のステロイドホルモンがゼロになるため注意が必要です。

2021年9月7日更新

9月になりました。夏が終わり秋が近づいてくる時期です。

さて、いきなりですがダニの活動が最も活発なのは秋ということをご存じでしょうか?予防されている方も、していなかった方も、一度ダニの予防の意味を復習しておきましょう!

 

今回はマダニが原因で、ヒトやネコに致死的な症状を引き起こす「SFTS」というウイルス疾患をおさらいしましょう。

SFTS(重症熱性血小板減少症候群)

SFTSは2011年に中国で初めて報告された、マダニを介して感染するウイルスが引き起こす病気です。この病気は、イヌとネコだけでなく、ヒトも発症することから人獣共通感染症に属します。日本では、毎年約70名以上が発症していて、ヒトでの致死率は10~30%とウイルス感染症としては非常に高く、致死的な病気です。症状としては、発熱、頭痛倦怠感から下痢嘔吐の消化器症状、血球の減少、重症では多臓器不全に陥ります。ヒトへの感染経路は、ダニの咬傷、SFTSウイルスに感染したイヌ、ネコからの咬傷、SFTSウイルスに感染した患者(イヌ、ネコ、ヒトetc)の血液や体液への接触が主です。

日本では西日本を中心とする疾患でしたが、今年に入ってから、静岡や千葉と東日本でもヒトへの感染が確認されました。東京でもいつ感染が起きてもおかしくない状況です。

イヌはネコに比べるとSFTSの発症頻度は低いですが、ヒトへの感染源となる可能性があるため注意が必要です。イヌの場合、感染しても症状を示さない不顕性感染であることが多いですが、発症して致死的経過をたどる症例も認められています。

ネコは感受性が高く、感染すると重症化する傾向にあります。発症すると、急激に進行し、約60%の症例が発症7日以内に死亡してしまいます。動物に投与できる特異的な治療薬はなく、症状に合わせた対症療法しかありません。診断は血清中のウイルス遺伝子の検出もしくはウイルス分離であり、初診の段階で予後を予測するのは非常に困難です。

ワンちゃんの散歩時には、藪や茂みの近くではリードを短く持ち、犬にマダニがつかないように注意が必要です。マダニは、住宅街であっても、空き地や公園の草むらに潜んでいる場合もあります。マダニはSFTS以外にも、直接的に吸血し、貧血を引き起こしたり、マダニの唾液に含まれる成分に対しアレルギー反応を起こしたり、SFTS以外の感染症を運ぶベクター(仲介役)となります。

みなさんがワンちゃんにあげている予防薬は、このマダニの駆虫をするためのものです。マダニの活動時期は一年中で、特に春と秋が活動のピークです。そのため、冬の間以外の4月~12月の間は最低限、予防していきましょう!ネコちゃんも外に出る子は予防は必須です!

2021年9月3日更新

9月のキャンペーン情報をお届けします✨✨

①歯石除去キャンペーン🐶

歯科処置の料金を10%引き!ワンちゃん、ネコちゃんの歯科処置、スケーリング料金をお会計時に10%OFFさせていただきます。デンタルケアグッズプレゼントもあります🎁

[料金の目安]

歯石軽度(スケーリング、研磨のみ)/4万5千円程度

歯石中等度/6万程度

歯石重度/(抜歯が複数必要)/8万~9万程度

※麻酔下で行いますので、事前の歯の状態のチェックと、術前検査(血液検査、胸部レントゲン撮影)約1万が別途必要になります。また、ワクチン接種、ノミダニ予防があらかじめ必要ですのでご了承ください。

※期間 9月1日~10月30日まで

 

②爪切り半額キャンペーン😺

お爪切りを半額に!一頭につき一回、ご利用いただけます。

※爪切りのみのご来院の場合、適応外になりますのでご注意ください。

※期間 9月1日~9月30日まで

2021年8月31日更新

先日、当院の顕微鏡が新しくなりました✨

前のものが、ライトが消えたり、レンズが濁ったりと老朽化していたので新しいのを発注していただきました

便検査、尿検査、細胞診検査と幅広く使用するので、非常に検査がやりやすくなりました!(^^)!

大事に使っていきたいです

2021年8月27日更新

ワンちゃんの皮膚の痒み、4回目は保湿を中心に書いていきます!

皮膚は表皮という一番外側の構造の角質という部分(フケや垢がある部分)に保湿成分であるセラミドを持っています。しかし、遺伝的にこのセラミドが少ないと、乾燥肌であったり、外部からのアレルゲン物質が侵入しやすくなり、痒みが出やすい体質となります。前回話したように、皮膚の保湿成分であるセラミドは、オメガ6脂肪酸から構成されるため、サプリや保湿剤で補助的に脂肪酸を補ってあげることも皮膚のケアには重要です。

上記の写真にあるESSENTIAL 6、ATOP 7はどちらもスポイト状で液体の保湿剤です。どちらも必須脂肪酸が主な成分で、手軽におうちでも保湿ケアが可能です。背中の毛をかきわけて皮膚に直接、週1回滴下してあげるだけで大丈夫です。右側のATOP 7はよりアレルギーの痒みに特化した製品となっています。上述したように、スキンバリアの維持はもちろん、フケのコントロール、皮膚の臭い、ツヤのある被毛、皮脂のコントロールと幅広く使用可能です。他にもスプレー(霧吹き)タイプの保湿剤もあります。このように、手軽に幅広くスキンケアが可能ですので、興味がある方は是非ご相談ください。サプリや食事、保湿などその子にあった皮膚のケアを探していきましょう。

また、保湿と同様にシャンプーケアも皮膚のトラブルでは重要となります。シャンプーは基本的に皮膚についたアレルゲン物質や汚れを落とす役割があり、やりすぎても皮膚が荒れてしまう原因にもなります。シャンプーの頻度は週1回を目安にし、行った後はできるだけタオルとドライヤーで十分に乾かしてあげてください!シャンプーにも薬用のものなど様々な製品がありますので、アトピーだけなのか、細菌が定期的に感染しやすいのか、どの菌が多いかによっても使い分けることが大事です。また、シャンプーの量ですが、手のひら2枚分を洗う面積として、500円玉1枚分ほどの量のシャンプーを使用しましょう。これ以上少ないとシャンプーの効果が低下してしまいます。

皮膚が弱く、細菌感染を併発している子の場合のシャンプーは一日おきで、シャンプーに必要な成分、薬剤濃度も変わってきますので、注意が必要です。

当院でもトリミングシャンプーや、薬用のシャンプーを用いた薬浴、皮膚トラブル対策や美容効果もある炭酸泉などが可能です。自宅のみで皮膚の管理が難しい場合は、通院して定期的なシャンプー保湿で症状が安定する場合もあります。

次回からは治療の主体となる、痒み止めについて書いていきます。

2021年8月24日更新

ワンちゃんやネコちゃんの歯は構造上ヒトと比較して虫歯菌がたまりにくく、また口腔内の唾液の性状がアルカリ性のため虫歯菌が増えにくいです。よって虫歯(う蝕)ができることは稀です。

その代わり歯周病といって、歯垢や歯石が付着すると、そこで細菌が繁殖し歯肉に炎症を起こします。これが進行すると歯槽骨という歯の土台が溶けて歯がグラグラになったり、歯肉から出血したり、場合によっては顎の骨が溶けて顎が割れてしまうこともあります。犬歯という大きな歯が歯周病になると、口腔内と鼻腔が穴が開き、つながって口腔鼻腔婁という状態になります。この状態になると鼻水が頻繁に出るようになります。

また、歯石は細菌が大好きな住み家となるので、歯石がたくさんあると、口の中には一緒に大量の細菌が住み着いていることになります。すると絶えず菌を口から飲み込む状態となるため、血流にのって腎臓や心臓などに菌が流れ、将来的に心臓の病気や腎臓の病気を引き起こす可能性があります。特にネコちゃんは腎臓病になりやすいですので、口内環境が悪いとあっという間に腎臓がわるくなってしまいます。

以上から、歯石はしっかりと除去し、歯周病になった歯は抜歯する必要があります。

しかし、ついてしまった歯石は歯磨きで落とすことはできません。

スケーリングといって、麻酔下で歯石をドリルのような機械でしっかり削り取って、さらに歯周ポケットの中の菌までしっかり除去することで効果が出ます

無麻酔での歯石除去は、ワンちゃん、ネコちゃんが暴れて、機械が目に刺さったり、歯肉を傷つけてしまう可能性があるのでお勧めできません。また、見た目はキレイになっても、歯周ポケットの中までは行えないため、一番大事な菌の繁殖部分は汚れたままなので、いずれ骨は溶けてしまいます。歯の見た目がキレイなのにグラグラしている場合は要注意です。このように無麻酔の歯科処置は危険で、効果も低いので歯の処置をする場合は必ず麻酔下で行いましょう

患者さんから、よく麻酔のリスクについて怖いと伺います。麻酔と聞くと確かに、腰が引けてしまうかもしれません。しかし、腎臓病や歯周病になるリスクに比べれば、健康な場合に行う麻酔と歯石除去のリスクは前者と比較して明らかに低いです。もちろん高齢(15歳以上)や心臓病、他に疾患がある場合はしっかりとそのリスクを考えていかないといけませんが、若くて健康な場合は、なるべく早く健康なうちに処置しましょう。

そして日々の歯磨き、歯磨きガム、口腔内サプリと、悪くなる前に予防していくことが重要です。当院では予防医療に力を入れていますので、若い内から定期的に歯をチェックし、早めの治療を心掛けるようにしています。

お口が臭い、歯石が多く付着している、歯がグラグラするまたは抜ける歯がある、歯肉からの出血、口をくちゃくちゃする。このような症状に心当たりのある方は、ぜひ早めに病院にお越しいただきご相談ください。

上記写真は当院にある歯科レントゲン(左)と歯科処置用の歯科ユニット(右)です

2021年8月20日更新

ワンちゃんの皮膚の痒み、3回目は皮膚の栄養とサプリメントのお話です!

2回目でお話ししたように、皮膚は多くの栄養素を必要とする構造物です。水、炭水化物はもちろん、豊富なタンパク質や脂肪分、ビタミン、銅や亜鉛といったミネラルと多くの栄養を求めます。前回紹介したフードはこれらの栄養素が調整されることで皮膚の健康をサポートします。

ミネラル分の銅は被毛の色素メラニンを合成し、亜鉛はのコラーゲンやケラチンといったタンパク質の合成に欠かせません。

脂肪分ではオメガ3脂肪酸とオメガ6脂肪酸が重要で、オメガ3脂肪酸は皮膚炎のような炎症性疾患の抑制を助け、オメガ6脂肪酸は皮膚のバリアや保湿機能の維持に役立ちます。オメガ3脂肪酸にはα-リノレン酸、DHA、EPAが含まれ、DHAやEPAは青魚に多く含まれます。また、オメガ6脂肪酸にはリノール酸、γ-リノレン酸、アラキドン酸が含まれ、大豆油やごま油に多く含まれます。

ワンちゃんが適量の油や青魚を取ることは難しいので、前回紹介したフードや今から紹介するサプリで脂肪酸を補ってあげましょう。

こちらのアンチノールというサプリは、モエギイガイという貝から抽出された91種にも及ぶ豊富な脂肪酸の集合体です。100%天然素材で、皮膚や被毛の健康はもちろん、関節や認知機能、心血管系にも効果があるといわれています。病院では関節や皮膚がわるい子にお勧めすることが多いです。ワンちゃんだけでなく、ネコちゃん用もありますので興味のある方は病院までご相談ください。

サプリメントはあくまで治療の補助なので、これ単独で劇的に良くなることは期待できませんが、皮膚以外に持病があり、うまく皮膚用の療法食が食べれない、切り替えられない場合はこのようなサプリメントで補ってあげるのが良いと思います。

次回はシャンプー、保湿について記載していきます

2021年8月17日更新

ワンちゃんの皮膚の痒み、2回目は皮膚が弱い子用のフードと皮膚の栄養の話です!

皮膚は体の表面を覆う臓器として、表面積が非常に大きく、沢山の栄養価を必要とする構造器官です。ただし、腎臓や肝臓といった内臓系の方が生命活動により重要ですので、栄養はそちらが優先され、皮膚は栄養が後回しになります。なので、遺伝的に皮膚が弱い子以外で、食事で十分な栄養が取れていない場合も、皮膚に栄養が回らず、毛が抜けたり、毛ヅヤが悪くなったり、乾燥肌になったりします。そうすると、皮膚のバリアが弱くなり、花粉やダニ、ハウスダストといった環境中のアレルギー物質で皮膚が痒くなるんです。

上記の写真に写っているフード(Hills ダームディフェンス、ロイヤルカナン スキンケア)は、タンパク質や脂肪酸、ビタミンといった皮膚に必要な栄養素を豊富に含んでおり、アトピーで悩む子の食事選択には最適です。これにより肌質や被毛のコンディションが良くなり、痒みが減る子もいます。

皮膚が痒いけど、特に食事は気にしたことがなかったというオーナー様がいましたら、いつでもご相談ください。

ただし、これは治療というより、あくまでも補助的なツールですので、食事を変えたから完全に痒みがなくなるということはありません。

あくまで治療の主体は痒み止めのお薬が必要ですのでご注意ください。

また、皮膚用のフードは栄養価が高いため、高カロリーで太りやすいのが欠点です。皮膚用フードに変更した場合、過度な体重の増加や肥満には十分注意しましょう。なのでもともと肥満気味の子には注意が必要です。また、他の病気などが理由で、皮膚以外の療法食を食べている子も選択には注意が必要です。獣医師と相談の上療法食の選択をしていただければと思います。

アトピー以外に似たような痒みの症状を呈するものとして食物アレルギーがあります。鶏肉や牛肉、牛乳、小麦、魚などのタンパク質にアレルギー反応を示すもので、こちらは食物アレルギー用の療法食があります。これも重要な話ですので別の機会に掲載します。

次回は栄養についてもう少し詳しく、サプリメントについても触れようと思います!

2021年8月13日更新